経営コンサルタントの本棚

若輩者の経営コンサルタントが故に、書籍を読み漁って経営を勉強していくうち、自宅のリアル本棚はもちろん、押入れも本で溢れかえってきました。
ビジネス書、自己啓発に関する本が多めですが、時には経営には関係のない本も交え、いろいろな本を紹介していきたいと思いますが、基本的に自分用の備忘録です。
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また、評価は4段階になっています。◎:超おすすめ!、○:おすすめ、△:読んで損はない、×:おすすめできない

現在の蔵書数:421

重大事件に学ぶ「危機管理」

佐々淳行    文春文庫◎

元内閣安全保障室長の佐々淳行が自らの経験をもとに危機管理について書かれた本。
もともとは「仕事の危機管理術」というタイトルであった本を加筆・修正したものであるので、仕事のやり方、取り組み姿勢にスポットが当てられている
危機管理そのものだけでなく、組織のコミュニケーション(報・連・相)について非常に参考になる。
それにしても、いろいろな実話が載っているが官僚、コームインは腹立たしい。
そのうちのエピソードが2つ

1986年 三原山が大噴火し、すぐさま島民を避難させなきゃいかんのだが、当時の国土庁の緊急会議で、
1点目の議題 : 災害対策本部の名称
2点目の議題 : 和暦を使うか、西暦を使うか

1976年 ソ連のミグ25が函館空港に亡命した事件で、所管官庁を決めるときのやりとり
防衛庁 : 「もう函館空港に着陸してしまっているのだから、領空侵犯ではなく、密入国である。したがって、法務省出入国管理局の仕事だ」
法務省 : 「彼はトカレフを所持しており、銃刀法違反だ。したがって警察庁にお願いしたい」
警察庁 : 「彼は亡命したいと言っている。外務省の仕事だ」
誰か : 「ミグは遺失物なので警察庁でしょう」
警察庁 : 「いや、ミグは密輸品だから大蔵省関税局だ」
大蔵省 : 「航空機なのだから運輸省だ」
 …だそうな。

以下、自分メモ
1.官僚の世界では何かをやったものが非難され、何もしなかったものが上に登っていく
2.「異常なし」の報告が大事。報告がないときを異常発生とみなす
3.「1分30秒の責任」
4.リスクマネジメントは損益の範疇の問題。クライシスマネジメントは人間の生死や名誉に関わる問題
5.エレベーターブリーフィングの内容
(1)事実
(2)情勢判断
(3)意見具申
6.Why Shouldn't I の精神
7.後藤田五訓 (1986年、当時の内閣官房長官の後藤田正晴が内閣五室制度発足式典で言った言葉)
(1)省益を忘れ、国益を想え (全体最適)
(2)悪い本当の事実を報告せよ
(3)勇気を以って意見具申せよ,
(4)自分の仕事でないと言う勿れ
(5)(意見は大いに言って) 決定が下ったら従い、命令は実行せよ
8.上司と部下の関係は、愛情と尊敬の関係

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主に中小企業をクライアントに経営戦略構築、経営再建、営業力強化、人事制度構築、幹部育成、ビジネスマナー、IT戦略立案&推進など幅広く企業のお手伝いをする経営コンサルタント。

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