経営コンサルタントの本棚

セス・ゴーディン著    三笠書房◎

要するに、新しい仕組みを創る人と、仕組みに従う人との２つに大別される。
今後は（大昔からそうだったはずであるが）「新しい仕組みを創る側にならなければいけない」ということである。
このような考えは、いろいろな本に書かれているが、独特なのは「アーティスト」というキーワードを用いている点にある。
ここで言う「アーティスト」の定義として、「豊な発想をもち、既存の枠にとらわれず、事由に、新しい価値を生み出していける人」とある。
また、「アート（表現）」とは「他者にプラスの影響を与える行為である」とある。
この定義の賛同性は置いておいて、なかなかいいことを言う。
この「表現」の条件、「無償で価値を与える」とある。すなわち「利他」。
ここまでの論理を重ねると、「今後は新しい仕組みを創る人が尊重されるのであり、その心構えとしては利他が大事」ということになる。
ここで端的に表現してしまうのは簡単であるが、社会人にいい価値判断基準を説く本だと思う。