散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道
梯久美子著 新潮文庫 (評価:△)
太平洋戦争で、5日で陥落できると言われた硫黄島を36日間守った日本守備隊の総指揮官である栗林忠道を描いた本。
戦史ではなく、栗林少将個人にスポットが当てられている。
彼は父親としても指揮官としても、当時としては異色であったようだ。
兵隊と同じものを食べ、特別待遇はなく、2万人いた兵士の多くが、栗林少将の顔を知っているというのがすごい。
アメリカ軍の上陸に際し、水際作戦はやめ、ゲリラ戦に徹したこと。バンザイアタックは禁じたこと。最後の総攻撃に際し、指揮官は切腹するのではなく最前線でともに戦ったこと。それらの当時の常識を破って戦った。−それらは守備隊としてのミッションを最大限に履行するための手段だったのだろう。
自身のミッションをしっかりと理解し、遂行するための最良の手段を選択する。このシンプルだが当たり前のことの重要さを再認識させられた。
ちなみに「散るぞ悲しき」は辞世の句の結びの部分である。
太平洋戦争で、5日で陥落できると言われた硫黄島を36日間守った日本守備隊の総指揮官である栗林忠道を描いた本。
戦史ではなく、栗林少将個人にスポットが当てられている。
彼は父親としても指揮官としても、当時としては異色であったようだ。
兵隊と同じものを食べ、特別待遇はなく、2万人いた兵士の多くが、栗林少将の顔を知っているというのがすごい。
アメリカ軍の上陸に際し、水際作戦はやめ、ゲリラ戦に徹したこと。バンザイアタックは禁じたこと。最後の総攻撃に際し、指揮官は切腹するのではなく最前線でともに戦ったこと。それらの当時の常識を破って戦った。−それらは守備隊としてのミッションを最大限に履行するための手段だったのだろう。
自身のミッションをしっかりと理解し、遂行するための最良の手段を選択する。このシンプルだが当たり前のことの重要さを再認識させられた。
ちなみに「散るぞ悲しき」は辞世の句の結びの部分である。